スタジオジブリ作品を紹介する
こんにちは!
今回はスタジオジブリ作品を公開順に紹介します!
- 1.ルパン三世 カリオストロの城
- 2.風の谷のナウシカ
- 3.天空の城ラピュタ
- 4.となりのトトロ
- 5.火垂るの墓
- 6.魔女の宅急便
- 7.おもひでぽろぽろ
- 8.紅の豚
- 9.平成たぬき合戦ぽんぽこ
- 10.耳をすませば
- 11.もののけ姫
- 12.ホーホケキョとなりの山田くん
- 13.千と千尋の神隠し
- 14.猫の恩返し
- 15.ハウルの動く城
- 16.ゲド戦記
- 17.崖の上のポニョ
- 18.借りぐらしのアリエッティ
- 19.コクリコ坂から
- 20.風立ちぬ
- 21.かぐや姫の物語
- 22.思い出のマーニー
- 個人的ランキング
1.ルパン三世 カリオストロの城
1979年公開 宮﨑駿 監督
ジブリではありませんが、大事な作品なのでとりあげます。
まだスタジオジブリができる前、宮﨑駿の初監督作品。
題材こそルパン三世を扱っているけど、内容は後のジブリ作品の雰囲気そのもの。
原作のような残虐な描写はなく、ルパンも義賊として描かれている。モンキーパンチ氏も『これは僕のルパンじゃない。僕には描けない、優しさに包まれた、宮崎くんの作品としてとてもいい作品だ』と肯定的に話したそう。
広く誰もが楽しめる作品で、逆に言えばルパン三世のファンには不向きかも。
2.風の谷のナウシカ
1984年公開 宮﨑駿 監督
これも厳密にはジブリの作品ではなく、前身のトップクラフトという会社の制作。
戦争によってボロボロになった未来の地球が舞台。
シリアスなストーリーで、面白いけどやや暗め。
原作は宮﨑駿がアニメージュで連載していた同名漫画。全9巻なのだけど映画化の時点ではまだ3巻の途中くらいで、映画になったのは2巻の途中まで。
つまり、全体のほんの最初のところだけしかやってないということ。なんか終わった感じがしないのはそういう訳です。(とはいえ、映画化にあたってラストなど多少変更はしている)
漫画の方は全巻セットが3,500円くらいで買えるので、世界設定の背景が気になる方は是非。
また、忘れてはいけないのが音楽で、それまで決して有名ではなかった久石譲がこの作品をきっかけに注目されることとなる。
ラン ランララ ラララ〜♪ という有名なメロディは当時4歳だった久石譲の娘さんが歌っているそう。
ちなみに、テーマソングである「風の谷のナウシカ」は別の方の作曲です。
3.天空の城ラピュタ
1986年公開 宮﨑駿 監督
スタジオジブリ設立後、初めての作品。
やたらと金曜ロードショーでやっているので見たことがない人の方が少ない。
ただし、それだけ放送されることも納得の面白さで個人的にはジブリ最高傑作だと思う。
というか世界のアニメ作品の中でも1・2を争うと言ってもいい。
(ディズニーの記事では「アラジン」が世界最高傑作と言いましたが…)
宮﨑駿の個性的な絵により、ナウシカ以上に夢のある幻想的な雰囲気に仕上がっている。中でも飛行機とロボットのデザインは秀逸。
それでいて、少年を主人公とした冒険や悪役との戦いという王道のストーリーなので、まさに「わくわくする」という言葉がぴったりの作品。
また、全般的シリアスだったナウシカと違い、所々に笑いもあり観やすくなっている。
久石譲の才能も冴え渡っていて、「君をのせて」はあまりにも有名だが、個人的にはラピュタに突入するシーンと上陸後に流れる曲が特に素晴らしい。
4.となりのトトロ
1988年公開 宮﨑駿 監督
あのトトロです。
これの作品以降、ジブリを象徴するキャラクターとなり、映画の冒頭でトトロの絵が出るようになる。
こんなやつね。
一見子ども向けだけど実際はそうでもなく、4歳のメイ、12歳のサツキ、30代のお父さんのそれぞれの視点で観ることができるので幅広い世代で楽しめる作品。
音楽もよく、「さんぽ」は保育園とかで子どもが歌う歌の定番となっている。
私はネコバスの曲が好き。ベースがかっこいい。
5.火垂るの墓
1988年公開 高畑勲 監督
「となりのトトロ」と同時上映された高畑監督の作品。
同名の小説を原作としている。
戦時中、必死に生きようとした兄・清太と妹・節子の話。
冒頭、清太の「僕は死んだ」というナレーションから始まる回想であるため、いずれ2人が死を迎えることが最初から分かっている。
出来が良いだけに、観るがとても辛い。
また、その辛さは戦争だけではない。2人は一時叔母さんの家に身を寄せるのだが、この叔母さんが2人にいじわるく当たるのである。(それも仕方ないと言えば仕方ないのだが)
良い作品だけど、繰り返し観たいかと言われると、うーん…。
つーか、なんでこれトトロと同時上映したんだ。
6.魔女の宅急便
1989年公開 宮﨑駿 監督
角野栄子の同名児童文学が原作。
魔女が主人公ということだけど、そこまで魔法やファンタジーを前面に出してはいない。
というのも、舞台となるのはスウェーデンのゴットランド島のような現実的な街で、主人公キキも魔法は箒で空を飛ぶくらいで他は普通の女の子として描かれている。
魔法よりもキキの成長がメイン。
ちなみに「宅急便」がクロネコヤマトの登録商標だったため、ヤマト運輸がスポンサーとなりコラボCMも作られている。
(原作出版時点では登録商標が…という話にならなかったらしい)
また、この作品は過去作と比べ大ヒットとなる。
ナウシカ、ラピュタ、トトロといった人気作が実は興行的には失敗していたという中で、今作は配給収入21.5億円(なので興行的収入はおそらく30億円強)を記録し、当時のアニメ映画でトップに。ジブリブランドを世間に知らしめる作品となった。
ところで、「魔女の宅急便」の実写映画もあるけど、あれはあくまで原作小説の映画化なのでジブリとは関係ありません。
7.おもひでぽろぽろ
1991年公開 高畑勲 監督
主人公は27歳のOLタエ子。彼女が回想する子ども時代の場面と現代の場面が交互に進んでいく。(ストーリーの軸は現代)
子ども時代は人物の線が少なく、背景は淡い色でぼやけて描かれているのに対して、現代では緻密に描かれた背景に、人物には顔のシワまで描き込まれている等、対照的に表現されている。
また、現代のシーンでは、先に演者の声を録音し、後からアニメーションを作る“プレレコ”という手法が使われている。
(以降の高畑監督作でもプレレコは用いられている)
登場人物達のちょっとした心情や胸のつまるような感情が絶妙に表わされているが、不思議なことが起こったりしない現実的なストーリーなので退屈に感じる人も多いかとは思う。
少なくとも子ども向きではなく、タエ子と同じ27歳かそれ以上の人がターゲットになるだろう。
原作は同名の漫画で、各15ページ程の1話完結。子どものタエ子が主役で、アニメよりコミカルな印象。
8.紅の豚
1992年公開 宮﨑駿 監督
飛行機大好き宮﨑駿の趣味全開の作品。
今作に関しては完全に大人向け。
まず、主人公がおじさん。
次に、主人公が豚。
主人公が豚という以外は特にファンタジー要素もなく、なんなら豚である理由も不明で当然のように豚。
でもかっこいい。
キャッチコピーにも
「カッコイイとは、こういうことさ。」
とあるように、主人公が豚なのにめっちゃかっこいい。
ストーリーを説明すると、豚のポルコは元人間で空軍のエースだったが、現在は空賊相手に賞金稼ぎをして暮らしている。
空賊の用心棒でライバルのカーチスや、飛行機の技師をしている少女フィオとの微妙な関係を描いていく。
それなりに笑いの要素もあるが、それも大人向け。(下ネタじゃないよ)
高校生くらいから楽しめるような作品。
ちなみに、一時期ジブリは本作をコンセプトにしたファッションブランドを展開していたことがある。
9.平成たぬき合戦ぽんぽこ
1994年公開 高畑勲 監督
高畑監督作には珍しい、原作のないオリジナルストーリー。
変化(へんげ)の術を使うタヌキ達を主人公とした物語。
一見、ファンタジー色の強い楽しい作品と思えるが、都市開発による森林伐採で棲家を追われたタヌキ達が必死に生きようとする様を描いたメッセージ性の強い作品。
前半は明るいものの、後半では人間によりタヌキが命を落とす悲しいシーンが多くなる。
自分が住んでいる街もこうしてできたのか、と考えると辛くなる物語。
でも、テンポが良く飽きずに観られる。
個人的には高畑監督作品で1番好き。
10.耳をすませば
1995年公開 近藤喜文 監督
少女漫画を原作とした作品。
ジブリには珍しく、思いっきり恋愛を前面に出した物語。
主人公の月島雫はいいとして、相手の天沢聖司氏が人として特殊過ぎる。ヴァイオリンが得意で、ヴァイオリン職人になるため翌年からイタリアに行くつもりでいる。
※彼は中三です。
そして、雫の趣味や行動範囲、今取り組んでいることを調べあげ、ヴァイオリン演奏のサプライズをしたり家に現れたりする。
普通の人間がやったらストーカーで通報もの。
でも彼はイケメンだから大丈夫なのだ。
声は当時全く有名ではなかった高橋一生が演じています。
女性の方は月島雫に感情移入して楽しむことができると思うが、男性が天沢聖司に感情移入することは不可能である。
なんなら男も雫サイドで観た方がいい。
ちなみに映画化にいたった経緯だが、いつのことか宮﨑駿が義理の父のアトリエで押井守や庵野秀明らとアニメ談議をしていた際、そこにあった宮﨑駿の姪が読んでいた雑誌に「耳をすませば」が掲載されていたのがきっかけだったらしい。
宮﨑駿の後継者になり得た人物だったが、残念なことに今作公開の数年後に病死してしまい、唯一の監督作となった。
11.もののけ姫
1997年公開 宮﨑駿 監督
室町時代の日本が舞台。
主人公はアイヌ民族の青年アシタカ。村を襲おうとした化け物を退治した際に呪いをかけられている。
ストーリーを大まかに言うと「自然(妖怪や神)対 人間」で、アシタカはその中に巻き込まれていく。
ヒロインは犬神に育てられた人間のサンで、自然を破壊する人間を憎んでいる。彼女とアシタカが出会うことで物語が動いていく。
普通に考えると妖怪達の圧勝じゃね?と思うが、ここに出てくる人間はどいつもこいつもやたらと強い。そのため、ほぼ互角の争いとなっている。
「ナウシカ」のようなシリアスなストーリーで、より重厚な雰囲気。鑑賞にはやや体力が必要だが、それだけ満足感のある作品。
人間にしても自然にしても、とにかく「命」という概念を力強く感じる。
全体を通してエネルギーがすごいのだが、私の表現力ではそのすごさを伝えきれない。
登場キャラクター達は善とも悪ともはっきり言い難く、それぞれの立場で行動しているのが印象的。
また、首が飛んだりとややグロテスクな表現が多いのも特徴。
映像に関しては初めてCGが使われ、また、セル画を使った最後の作品となった。
ちなみに冒頭に出てくるタタリ神は手描きで、数分のシーンにも関わらず1年7ヶ月かけて制作されている。
12.ホーホケキョとなりの山田くん
1999年公開 高畑勲 監督
現在は「ののちゃん」として朝日新聞で連載している4コマ漫画、「となりのやまだ君」を映画化。
元が4コマ漫画ということもあり、短いエピソードが淡々と続く。
(「サザエさん」のエンディングみたいな感じ。)
のんびり観るにはいいかもしれないが、正直言って映画という感じはしない。
鉛筆で描いたラフ画のような映像も特徴。
この表現が大変だったようで、作画数は「もののけ姫」を超える17万枚。
(これは、のちに高畑監督が自ら記録を更新するまでジブリ1位)
ただ、何も知らない観客にとってみれば、とてもそんなに労力のかかった絵に見えないところが残念。
13.千と千尋の神隠し
2001年公開 宮﨑駿 監督
国内興行収入300億円超えという爆発的なヒット作。
これは2020年現在、アニメだけでなく全映画で歴代1位。
さらに、アカデミー賞でディズニーをおさえて長編アニメ映画賞を受賞。
なんとも華々しい作品。
10歳の女の子千尋は引越しの途中、両親と共に異世界へ迷いこんでしまう。色々あって豚にされてしまった両親を元に戻すため、魔女が営んでいる銭湯で働くこととなる。
異世界・魔女・龍といった王道ファンタジーを和風(ちょっと中華風)でやった物語。
ストーリー、キャラクター、音楽、映像どれもよく、大ヒットも納得の作品。
ただし、両親が豚になるまでの経緯がドン引き。
14.猫の恩返し
2002年公開 森田宏幸 監督
「耳をすませば」で月島雫が書いた物語(という設定)
車にひかれそうになっていた猫を助けたら、猫達からとっても迷惑な恩返しをされて…という話。
「耳をすませば」のバロンが本格的に登場する。
全体的に穏やかな作品で、そんなに面白くもないが悪くもない。
エンディングでつじあやのが歌う「風になる」は最高。
15.ハウルの動く城
2004年公開 宮﨑駿 監督
イギリスの小説、「魔法使いハウルと火の悪魔」を原作とした物語。
あるきっかけで邪悪な魔女により老婆に変えられてしまった少女ソフィーが、魔法使い達のいざこざに巻き込まれてゆく話。
はっきり言ってストーリーは分かりにくい。
ソフィーを老婆に変えた魔女が悪役で、こいつをやっつける話なのかと思えばそうではなく、途中何度か「あれ?どこに向かってるんだっけ?」となる。
実際、当時子どもだった私には理解できなかったし、大人になった今でもよく分からなかったりする。
それなのに、すごく面白い。
でも、何が面白いかと言われると説明が難しく、「なんとなく雰囲気がいい」としか言えなかったりする。
ただ、1つ説明できることは
ハウルがめちゃくちゃかっこいいということ。
まず見た目が整っていて、魔法使いとしての力も強く、頭もわりときれる。そして、所々で弱さが見えるというバランスの良さ。
そして声。
演じているのはあの木村拓哉。
キャストが発表された時に多くの人が
「え?キムタク?」と思ったことだろう。私もそうだった。が、蓋を開けてみたら完璧なキャスティングだった。
お前、顔出さなくてもイケメンなのかよ。
もうハウルの声はキムタクしか考えられない。
絵も良くて、タイトルにもある城のデザインは特に素晴らしい。
そして音楽。オープニングの「人生のメリーゴーランド」のメロディは違う編曲で繰り返し劇中で流れている。とてもきれいで耳に残りやすいので、ハウル=この曲という印象が強い。
また、久石譲の作曲ではないがソフィーを演じた倍賞千恵子の歌う主題歌もいい。
16.ゲド戦記
2006年公開 宮﨑吾朗 監督
宮﨑駿の息子、宮崎吾朗の初監督作品。
同名の原作小説は「指輪物語」や「ナルニア物語」と肩を並べる程の超有名作。
しかし、
残念ながらジブリ史上最も酷評された作品。
まずストーリーだが、完全に観客を置いてけぼりにしている。
そもそも原作全5巻のうち、第3巻だけを映画化しているというのに無理がある。
もちろん、そこに至るまでのストーリーがしっかり説明されていたり、あるいは説明がなくても問題なく観られるならいいんだけど、そうではない。
そして、登場人物達の言動の動機が分からない。確かに日本の映画は、全てを説明しないで察してもらうみたいなのが多い。
が、察せない。描写が足りない。「え、今なんで泣いたの?」みたいになる。
何も初期のジョジョみたいに思ってることを全部言葉にしろとは言わないが、もう少し分かるように工夫してほしかった。
「あー、今ここ制作サイドの人達の中では盛り上がってるんだろなー」とか思いながら観るハメになる。
あと問題は声優。
ヒロイン役に新人の歌手を起用しているので棒読みがひどい。あの「テルーの唄」を劇中で歌わせたかったんだろうけど、だったら歌のとこだけにしてほしかった。
初監督作で父親と比較するのは酷だと思うけど、周りの人達ももう少しなんとかできなかったのかと思う。
17.崖の上のポニョ
2008年公開 宮﨑駿 監督
海の母親と魔法使いの父親の間に生まれた魚のポニョが人間の男の子に出会いポニョは人間の姿になり嵐を呼び…
と訳の分からんストーリー。
ただ、細かいことを考えて楽しむタイプの映画ではない。
彩色はコンピューターで行われているものの、他の作画は全て手描きで行われている。
色鉛筆で描かれた絵本のような背景が特徴。
まあ、でもあんまり面白くないかな。
18.借りぐらしのアリエッティ
2010年公開 米林宏昌 監督
イギリスの小説「床下の小人たち」を原作とした作品。
人間の家の床下で、人間の物を借りてを暮らす小人達の話。
舞台はイギリスから日本に変更されている。でも主人公の名前はアリエッティ。
主人公達が人間から借りて使っている小物や、人間が暮らしている家の作りなどがかなり凝っていて面白い。
ストーリーもそこそこ面白いんだけど、人間の目を忍んで生きていくのが前提なので、どうしても窮屈な印象で爽快感はない。仕方ないけど。
19.コクリコ坂から
2010年公開 宮﨑吾朗 監督
同名の少女漫画が原作。
「耳をすませば」で話した宮﨑駿達のアニメ談議の際、実はこの作品も話題にあがっていたそう。
ジブリの雰囲気で少女漫画をそのままやってのけた「耳をすませば」と違い、こちらは恋愛が抑えめ。
戦後の学生達の心情をメインにした時代劇に仕上がっている。
監督は宮崎吾朗氏。
「ゲド戦記」の件があったので本作に期待している人はほとんどいなかっただろう。私もそうだった。
が、この映画は面白い。
テンポもよく、心理描写もしっかりされている。
武部聡志という方が担当している音楽もジャズ調の曲が多くおしゃれ。また、「テルーの唄」の手嶌葵が今作も参加していて、その歌もとてもいい。(ちなみに、キャストとしても参加しているが、今度は端役なので問題なし。)
そして、生徒会長の水沼というキャラクター(cv風間俊介)がとてもかっこいい。特に終盤のセリフは本当に感動した。
20.風立ちぬ
2013年公開 宮﨑駿 監督
「紅の豚」以上に宮﨑駿の趣味に寄せた作品で、初の実在の人物を描いた作品。
まあ、なんと言うか…
面白くはない。
現実の話なので仕方ないが、特に幻想的なことも起こったりしない。
ただ、そもそもの理由は別にある。
主役の堀越二郎を演じるのが、なぜか映画監督の庵野秀明なのだが…
下手にも程がある。
まず、棒読みが過ぎる。東出昌大よりもひどいトトロの糸井重里の方がずっとうまい。
それに、キャラクターの口とセリフも全然合ってない。声を発していないのに口だけ動いている場面があるのだ。これが主役なのでたまったもんじゃない。
ただ、彼の棒読みに隠れてはいるが、他のキャストもかなりひどい。
もう全っ然、物語に集中できない。
もしかしたら良いシーンもあったのかもしれないが、全く入ってこない。
ただ、さすが宮﨑駿。映像はよくできている。
特に、地震が起きるシーンは圧巻。
21.かぐや姫の物語
2013年公開 高畑勲 監督
「竹取物語」を大真面目にやってのけた作品。
最大の特徴は作画。
昔の絵巻物を思わせる水彩画風の絵で、筆で描いたようなタッチまで含めて実際に動いているような映像でとても美しい。
その作画総数は50万枚。
ピンとこないかもしれないので、参考までに大体同じ長さの「もののけ姫」が14万枚。(作画方法が違うので一概には比較できないが)
単純計算で上映時間の137分で割ってみても、1秒に60枚以上ということになる。
その結果、
製作費は50億円というとんでもない額に。
(これも参考までに「もののけ姫」は21億円)
しかし、内容が真面目過ぎたためか興行収入は24億と、決して低くないが製作費を考えると苦しい数字になってしまった。
また、久石譲が初めて音楽を担当した高畑監督作。監督から細かい指示があったらしい。
キャラクターは、唯一マスコットっぽい女童がかわいい。
公開の4年後に高畑監督が亡くなったため、本作が高畑監督の遺作となった。
22.思い出のマーニー
2014年公開 米林宏昌 監督
これもイギリスの児童文学が原作。
夏休みの間、療養のため田舎の親戚の家で過ごすことになった主人公の杏奈。
近所で見つけた誰も住んでいないはずの屋敷で、杏奈は金髪の少女に出会う。
原作は児童文学で、この映画も子ども向けに作られたらしいが、全然子ども向けではない。
「ゲド戦記」並とまでは言わないが説明や描写が少なく、子どもはもちろん大人でも分かりにくいストーリー。
あと、登場人物に嫌な奴と面倒くさいやつが多い。特に、主人公が自分の不幸っぷりを語り始めた時は少しイライラした。いや、12歳なんてそんなもんだとは思うけど。
絵も非常にきれいではあるが、人物の表情が冷たく感じて、死んだ魚のような目をした人が何人かいる。
不思議なことがあったり、謎が明かされる要素があったりするが、なんか中途半端。
(劣化版「僕だけがいない街」とか言ったら怒られるかな)
いっそのこと、ミステリーに振り切ってしまえば少なくとも大人は楽しめたんじゃないかと思う。
ちなみに、本作と「借りぐらしのアリエッティ」を監督した米林宏昌は、後にジブリを退社しスタジオポノックを設立している。
個人的ランキング
さいごに、
私の個人的な好みと独断で、作品をランク付けしようと思います。
映画のクオリティは考慮してません。あくまで好きかどうかです。
S
A
B
平成たぬき合戦ぽんぽこ
C
D
ホーホケキョとなりの山田くん
E
こんな感じです。
では、また。