ディズニーアニメ映画をほぼ全部紹介する その2
前回の続きです。
ディズニーアニメ映画をほぼ全部紹介する その1 - かもの映画の話
- 22.リトルマーメイド
- 23.ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!
- 24.美女と野獣
- 25.アラジン
- 26.ライオンキング
- 27.ポカホンタス
- 28.ノートルダムの鐘
- 29.ヘラクレス
- 30.ムーラン
- 31.ターザン
22.リトルマーメイド
1989年
ディズニールネサンス期(第二次黄金期)の幕開けとなる名作。
・後半にかけて盛り上がる分かりやすいストーリー
・魅力的なキャラクター
・美しく楽しい歌と音楽
と、非常に優等生な作品。
中でも、音楽は本当に素晴らしい。
有名な「アンダー・ザ・シー」は曲が良いだけでなく、曲に合わせたアニメーションもとても面白い。
(中盤でアニメーションと共に楽しく盛り上げる曲は今後「美女野獣」「アラジン」「ライオンキング」「ヘラクレス」などでも見られる。)
また、名曲「パート・オブ・ユアワールド」は、製作段階で「間延びする」という理由からカットになる案も出たとか。そうならずに済んで本当に良かった。
作曲者であるアラン・メンケンとは、今後も多くの名作を作っていくこととなる。
23.ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!
1990年公開
「ビアンカの大冒険」の続編。
続編の中では劇場公開作品となった珍しい作品。
前作のヴィランはクルエラのようなコメディ系だったが、今作は「オリバー」のサイクスのようなシリアス系ヴィランになった。
どちらかというと前作よりも少し面白いと思った。
24.美女と野獣
1991年公開
音楽がとにかく素晴らしい作品。
華やかにオープニングを飾る「朝の風景」、中盤で最高の盛り上がりを見せる「ひとりぼっちの晩餐会」、終盤に壮大に歌い上げる「美女と野獣」等、どれも素晴らしい。
アカデミー賞では、作曲賞と歌曲賞を受賞しただけでなく、アニメ映画で初めて作品賞にノミネートされたことでも有名。
キャラクターもリトルマーメイド以上に作り込まれている。
特に、今までの作品ではプリンセスにばかりスポットが当てられていたが、今作ではプリンスもプリンセス同等に深く描かれているところが特徴。(リトルマーメイドでもその兆候はあった)
魔法で姿を変えられたお城の使用人達(ルミエールやコグスワースなど)の動きもコミカルで面白く、この辺りは初期のディズニー作品を彷彿とさせる。
ただし、唯一好きになれないのがヴィランズ。
私は今作のヴィランであるガストンが生理的に受け入れられない。
無理、マジで無理。
本当、それ以外は完璧。
25.アラジン
1992年公開
ディズニーアニメ史上、いや、全世界のアニメ映画史上最高傑作!
ストーリー、キャラクター、音楽、アニメーション、笑い、感動、どこを取っても全く非の打ち所がない作品。
あまりにも良いところがあり過ぎて書ききれないので、アラジンだけは別の記事で書けたら。
26.ライオンキング
1994年
この作品ではアラン・メンケンではなく、あのエルトン・ジョンが音楽を担当。(歌曲のみ)
どれも素晴らしい歌となっている。
キャラクターもとてもよい。
コメディリリーフであるティモンとプンバァは見ていてとても楽しいし、狂言回し的な存在であるラフィキも絶妙なポイントで登場しストーリーを引き締めている。
そして、最も魅力的なのがヴィランであるスカー。
マジでかっこいい。あとセクシー。
吹替版の壤晴彦氏の名演技も大きい。スカーの歌う「準備をしておけ」の日本語バージョンは海外でも人気があるらしい。
ただし、ライオンが全ての動物達の王という設定はあまり好きになれない。
なんで草食動物までライオンの子どもの誕生を祝いに来るんだよ。無理があるだろ。
27.ポカホンタス
1995年公開
初の史実に基づいた作品。
だからかは分からないが、コメディ要素のほとんどないシリアスなストーリー。
そのためか、言葉を選ばずに言うと…あんまり面白くない。
再びアラン・メンケンとタッグを組んだ音楽は素晴らしい。
28.ノートルダムの鐘
1996年公開
「レミゼラブル」で有名なヴィクトル・ユーゴーの小説を原作とした作品。
ポカホンタスと同じくシリアスなストーリーなのだけど、こちらはかなり面白い。
その理由としては、おそらく原作が強いことやキャラクターや構図にかなり動きがあること、多少のコメディ要素も含むことなどがあると思われる。
この作品も、音楽はアラン・メンケンなのだが、その音楽が本当に素晴らしい。
中でもオープニングはディズニーアニメ全作品で最高の出来だと思う。タイトルが出た時はその場で立ち上がって拍手をしたくなるレベル。
また、吹替版には劇団四季とその出身者がキャスティングされていて本当に歌が上手い。
他に印象的なのはヴィランのクロード・フロロー。ディズニー屈指の非情な悪役である。
多くのヴィランズが「さあ、悪いことしますよー!」って感じなのに対して、フロローは自分の行いが全て正しいことだと信じているところが怖い。
29.ヘラクレス
1997年公開
ギリシャ神話を元にしたストーリー。
この作品の魅力の9割はヴィランであるハデスだと言っても過言ではない。彼の言動がいちいち面白い。
そして、主人公サイドであるゼウスがかなり嫌なやつなので正直ハデスを応援してしまう。
吹替は俳優の嶋田久作氏なのだが、この人がまた上手い。ただ、嶋田さんがあの口調で喋るところが全く想像できないが。
音楽はまたしてもアラン・メンケン。
「ゴー・ザ・ディスタンス」は「パート・オブ・ユアワールド」や「ホール・ニュー・ワールド」と並ぶ名曲。
また、それ以外のほとんどの曲がゴスペル調なのが特徴。
30.ムーラン
1998年
「花木蘭」という中国の伝説に基づいた作品。
劇中では主人公のムーランが、エンディングではクリスティーナ・アギレラが歌う「リフレクション」がとても良い。
(ちなみに作曲はアラン・メンケンではない)
欠点はヴィランに面白みがないところか。
31.ターザン
1999年
あの有名なターザンをディズニーがアレンジした作品。
面白いのはターザンの言葉。
ターザンは動物の言葉は分かるが、人間の言葉は分からない。そのため動物といる時は流暢に喋っているが、ヒロインのジェーンら他の人間が登場するシーンでは相手の言葉を真似たりと片言で話す。
これが劇中でなんの違和感もなく切り替わるのが上手くできていると思う。
そして、一番の特徴は音楽。
主題歌や劇中歌をフィル・コリンズが担っている。
それまでのキャラクターに歌わせるミュージカルスタイルではなく、フィル・コリンズ自身が歌い、それがBGMとして流れている。
1つの歌として単独で成立しているにも関わらず、歌詞や曲調がその場面やキャラクターの心情を絶妙に表しているのがすごいところ。(トイ・ストーリーが近いかも)
もう一点、特筆すべきは映像の美しさ。
これは全ての2Dアニメーションの中で一番と言ってもよいと思う。
ちなみに、この作品をもってディズニールネサンス期は終わりとなり、不名誉にも「第二次低迷期」と呼ばれる時代に突入する。
そんなところで、続きはまた次回